お気楽に、きらきらしたものを集めます。管理人名前=きらく。かわいいグッズに目がない。一応大学卒業が決定したらしい。


by kirakirakiraku
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大人になったピーターパン その1

 木曜は3時間睡眠の後20時間ほどぶっ続けで図書館に残って缶詰になり、なんとか企画書を完成させ提出。その後、すぐに午後7時から激しい飲み会。ただ呆然としながら、企画書を作り終えた達成感に酔った。

 次の日は朝7時30分に部長からの電話で目が覚めて、7時50分までに準備をして1泊2日の合宿へ。合宿場所は熊本、阿蘇。到着したらすぐに部活動を行う。さらに夜9時から懇親会という名のバカ騒ぎ飲み会が開始された。

 熊本には、知り合いが何人か来ていた。その中でも、ずっと話をしたかったAさんと落ち着いて飲み始めたのが夜12時くらいから。Aさんとは出会って以来、何度かメールのやりとりをしていたが、実際に会うのは数ヶ月ぶりだった。 

 Aさんはちょっと変わったお人で、私のような素人が見ても個性的な性質を持っているとわかる。そういうのが苦手な人もいたようだけれど、私は彼の雰囲気が凄く好きだったから、また話せるのが嬉しかった。Aさんと私はたわいもない事で徹夜した。一人、二人と飲み会の会場から去っていく中、私とAさんはずっと、しりとりとにらめっこをしながら話をしていたのだった。朝が来て、二人で散歩に出かけることになった。5時くらいだったか、朝日が見えていた。

 熊本、阿蘇の雄大な風景は、同じ田舎ではあっても私の暮らしている所とは違う。大好きな紫陽花が咲く道を、Aさんと二人でのそのそ歩いた。
 実はAさんは、今まで病気で学校を休んでいた。それが、来月から学校に復帰されるとのことだった。以前は病気のせいか薬のせいか、少し普通とかけ離れた点が多かったけれど、今回会ったときには普通になっていて、回復したんだなぁと思った。Aさんが復帰できることは、私にとっても凄く嬉しかった。(ちなみに余談だけど、別の日に日記で書いた、学校を去った友人も、新しい大学に無事合格したようで本当によかった)
 ただ、夜中じゅうずっとニコニコしていたAさんだけれども、7月から学校に復帰する話の時だけは、明らかに不安そうだった。これからはとても忙しくなるから、そう簡単には会えないだろうと言う。

 医学生というのは普通、忙しいものだ。そうそう遊んで暮らすわけにもいかない。でも今までのAさんは違った。学校を休んでいる間、Aさんは本を読んだり、イルカと戯れたり、自転車を全速力で漕いだりして、優雅に暮らしていた。そんなAさんのメールはいつだって個性的で、ぶっ飛んでいて、楽しかった。
 それなのに隣にいるAさんは今、私達「忙しい医学生」の一員にまた復帰しようとしている。以前は一緒にいてもボーッとしていて、押したら倒れてしまいそうなフラフラした人だったのに、しっかり自分の足で立って、ちょっと重い私のカバンまですっと持ってくれていた。

 30分ばかり歩いたところで、来た道を引き返すことにした。私は地元での多忙な生活を思って、帰りたくないような気がした。Aさんの実家が田舎だという事や、私の生活する地元には本屋がないから、本好きのAさんには耐えられないだろうとか話しながら、光が雲間から漏れ出す空と、山の麓まで平らに広がる田んぼを見て歩いた。

 阿蘇の山は、偽物の映画セットみたいで不思議だ。山があるのに木がなくて、平面的に緑色がついていて、光の当たり具合ではおもちゃみたいに見える。ふと、そんな山に、虹がかかっているのが見えた。薄い薄い虹だったけど。わぁすごいと騒ぎながら、さらに来た道を引き返していると、雨がポツポツと落ちてきて、そのうちザァザァ降り出した。私とAさんは、着ていた上着を頭に被って、でも走ることなく来た道を戻った。

 頼りなかったAさんは、自分の大きな上着の下にしっかりと私のカバンを隠してくれた。濡れそぼりながらも、一緒に歩くのは楽しい。やっと宿泊所に戻ったが、誰もまだ起きていなかった。男の人と女の人でコテージが別れていて、共同で使える集会所がついているタイプの宿泊所だったので、そこで別れて私は集会所に行き、ぬれた服を取り替えた。急いで家を出てきたから、寝巻きしかなかったけど。
(次につづく)
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by kirakirakiraku | 2005-06-26 23:44 | ひと