お気楽に、きらきらしたものを集めます。管理人名前=きらく。かわいいグッズに目がない。一応大学卒業が決定したらしい。


by kirakirakiraku
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Don't disturb その2

(つづき)
次の日の朝は部屋でダラダラした。祖父の友人のホテルなので、部屋の外に出ると何かと気を遣うため、ひたすら「Don't disturb」で防衛。
午後に運転手が迎えに来て、祖父の病院へ行く。面接室みたいな小部屋で延々とB科の素晴らしさ、A県に就職する利点について話された後、病院の中を見たりして、A大学病院から派遣されている若い医師に挨拶。ここでも祖父は
A大学病院のB科にお世話になる予定ですから!よろしく
とか言っている。A大学から派遣されている若い医師は、さかなクンとえなりかずきを足して2で割ったみたいな動きをしながら
「そうですか、是非、今度夏にでもゆっくり、B科についていろいろお話しましょう!」
とか言っていた。その後病院職員の人と夕ゴハンを食べた。気を遣って疲れたので、またしても「Don't disturb」の札をかけて寝た。

で、A県の観光スポットには一つも行かないまま帰る日が来てしまい、回らない頭で空港のおみやげ物屋を見ていたら衝動買いしてしまった「ご当地キティちゃん」とか「ご当地キューピー」とかのお土産を持って実家に戻ったわけだけど、しばらくして落ち着いたら、ふと将来について悩みだしてしまった。
祖父の言ってることや、やっていることは凄く強引だけど、あながち的外れでもないって、本当は少しわかっていたからだ。私がA県に就職したら有利だってことが。

このブログにも書いたけど、もともと私は激しく医者になりたかったわけじゃなくて、どちらかというと親の強引な勧めで医学部に「入れられた」って思ってる。
そう言うと、他人への責任転嫁でラクになろうっていう甘えとか逃げだって親は言うけど、ほんとに別に医者になりたかったわけでもないから、もう卒業後はフリーターになるか、一般企業に就職するか、研究職でもやろうと思ってた。閑職が見つかれば、保健所医師とかもいいなぁとは思うし、ポリクリで患者さんと接すると医者っていいかもと思ったりもするし、何よりここまで頑張ったので医師免許は絶対欲しいけど、バリバリの臨床医になるつもりはない。お金とQOLを基準に、できるだけ9時5時に近い研修病院を選んで、ラクに研修を終えて、バイトで生計を立てつつ趣味に生きる画策とかもしてた。

だけどなぁ。
A県に行けば、祖父の作り上げた医師の人脈があって、大学とのコネクションがあって、病院があって、私のすっぽり入るスペースが確保されてる。その気になれば病院経営もさせてもらえるし、出産して一時リタイアとかになっても、自分の病院ならすぐ復帰させてもらえる。
おまけにB科は急変の患者さんが少ない科だから医師のQOLも保ち易いし、高齢化社会だと患者さんが増える見込みのある科だから、経営的にも悪くない。
さらに父も母もリタイア後はA県でセカンドライフしたいらしく、再就職先のアタリもつけているから、その気になればスープの冷めない距離にでも住んで、好きなだけ甘えることができる。あと二十年くらいして両親の体調が悪くなっても、そばに居てあげることもできる。
素晴らしく、感心してしまうほどの「幸せ」が待ってる気がする。
祖父の病院は親族がかかると治療費入院費無料だから、私がA県に行けば、文字通り死ぬまで面倒を見てもらえるだろう。

小さい頃からマインドコントロールのように言われてきた「医者になりなさい」の言葉、とてもウザかったけど、今思えば悔しいほどの親心だ。生まれてから20年弱、今になってやっと、受験の前に母が狂ったように騒いで私を医学部に突っ込んだ理由が見えてきた。この「幸せ」を私にプレゼントしたかったからだったんだな、と思う。

ただ、A県に行けば、これまで私の親戚が作り上げた因縁と無縁ではいられない。
祖父の知り合いのホテルに宿泊した時みたいに、一挙一動を他人に見られているような緊張感からは逃れられないだろう(もちろんそれは、きめ細やかなサービスの裏がえしでもあるのだけれど)。
そして、敷かれたレールに乗るってことは、一生医者をやって、医者一族のメンバーとして生きるってことだ。できれば医者をやりたくないと思ってしまう私にとっては、つらい人生になるかもしれない。万が一だけど、病院が潰れるとか、私自身がどっかで医療事故起こして感染するとかいう可能性も捨てきれない。それなら興味を持てる仕事をさせてくれる企業を探してフリーターしたほうがいいかもな、と思ったりもする。それが医学部卒の人間の人生として、風変わりであっても。

守られて安定した生活と、波乱覚悟で自由に夢を追うこと。どっちを選んだら後悔しない人生になるんだろう??
答えなんて死ぬまでわからないんだろうけど、ただ、今が大きな分岐点だってことだけは、わかる。もうしばらく真剣に考えてみないと、どっちの人生に転んでも納得できないと思う。
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by kirakirakiraku | 2006-05-07 01:42 | 生活